911 Carrera T


今や20グレード以上という多岐にわたる911シリーズですが
Carrera T というグレードが新設定されるというニュースがありました。
ポルシェファンならば、懐かしい名前だなとも感じるTの文字ですが、そうでない方はなんのことやらわからないかと思います。

カレラT、つまり911Tの名を復活させたものですが
そもそも「T」って何よ?という話から始まるのですが、
Tとはツーリングの頭文字であり、ナロー時代の1968年に登場したグレードです。




1968年当時の911のグレード設定は以下の通りです。
・911L(ベースモデル、130ps)
・911S(スポーツモデル、160ps)
・911T(ツーリングモデル、110ps)
・911R(レースモデル、210ps)

911TはベースグレードのLよりも更に馬力が低いモデル、つまり廉価版ともとれる立ち位置となります。
当時、911シリーズとは別に、4気筒エンジンを積んだ912というモデルがありましたが
その後継モデルとしての意味合いもあったかと思われます。

911Tは911Lに比べ、主にエンジン周りでのコストダウンが図られたモデルなのですが
ピストンやクランクシャフトといったエンジン内部での"消耗品"におけるコストダウンがされている一方で
エンジンブロックや吸排気といった主要な部品はスポーツモデルである911Sと同じ構成で組まれていました。
言い換えるならば、レース用車両であれば最初から交換される部品のみが安価な部品となっているのです。
つまり、モータースポーツ用のベース車両用としても売り出されていた…ということです。

さて、そういった背景を持つ911のTというグレードですが
今回の991CarreraTはどのような車として仕上がっているのでしょうか。

まず、ベースとなる車両は
991Carreraです。つまり、一番素のグレードです。
動力性能に影響しそうな標準装備は以下の通り。
・PASM Sportシャシー(-20mm)
・機械式LSD
・ショートシフト
・PCM無し(ナビレス・無償で取り付け可)
・ナイロン製インテリアドアレバー
・軽量リアサイドガラス
・軽量リアガラス
・リアシートレス(無償で取り付け可)
・防音材レス
・ギア比変更(クロスレシオ化)
・スポーツファブリックシート
まだ他にもその他オプションや標準モデルとの変更点はありますが
概ね、走りに関する装備は上記の通りとなります。

過去の911Tが廉価版かつモータースポーツベース車だとすれば
今回の911CarreraTはカレラのスポーツグレードという設定なのかな、といった感想です。
安くもなければ、パワーが落ちてることもありません。

ターゲットユーザーは
・GT系みたいなスパルタンさは不必要なので、911カレラでワインディングを少しペース速めで走りたい人
・718ケイマンSだと物足りなくて、素Carreraだと上位グレードが気になるそんなジレンマを抱える人
そんなユーザーに向けて出している気がします。

日本に導入されるのはPDKモデルのみということで
本当にポルシェジャパンはわかってねぇな、という感想しか抱かないのですが
昨今のポルシェオーナーはPDKで満足しちゃうのでしょうか。
MTで乗るためのグレードとしてポルシェAGが作り出したグレードだと世界中が気づいていると思うのですが…。

ガラスや防音材、リアシートやナビレスといった部分に手を入れ、
標準グレードよりも-20kg減とした部分に関しては素晴らしいと思います。
惜しむらくは、991.2から設定がなくなったパッシブダンパーによるスポーツシャシーがあれば、更に魅力的なモデルになったのにな
と無い物ねだりをしてしまいます。

いずれにせよ、最近のポルシェは緻密なマーケティングと過去の栄光をフル活用し
出せば売れまくるという状況ですので、日本で走ってる姿を見る日が楽しみです。

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by btbs986 | 2017-10-24 21:31 | クルマ